愛媛県上島町の無人島、豊島に今春、現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒターがデザインし、新作を収めた展示スペース「ゲルハルト・リヒター THE TOYOSHIMA HOUSE」がオープンする。アートを通じ瀬戸内地域の活性化を目指すNPO法人「瀬戸内アートプラットフォーム」(大西健丞代表、広島県神石高原町)などによるプロジェクトで、リヒター作品を恒久展示する日本初の施設として、4月末から公開を予定している。
 ゲルハルト・リヒターの作品を展示するNPO法人「瀬戸内アートプラットフォーム」は、国内外で人道支援やまちづくりに取り組む非政府組織(NGO)「ピースウィンズ・ジャパン」の大西健丞代表が設立。世界で活躍するリヒターに協力を求め、趣旨や作品寄贈に賛同を得たという。
 展示されるのは、1967年から始まったガラスの立体シリーズの最新作「14枚のガラス」。シリーズ最長の大作で、1.9メートル×1.8メートルの透明ガラス14枚が微妙に角度を変えて連なる。2011年に初めて豊島を訪れたリヒターは美しい環境を気に入り、シリーズの最後を飾る作品とする考えを示したという。
 ギャラリー機能を持つ長期滞在可能なアトリエの年内開設を目指して町などと調整を進めており、現代美術の専門機関と連携して若手作家を育成する。